失われる風景 
我が家から坂道を下って通りへ出るところに
日本陶業がある。



06162

白い壁に窓が規則的に並んだ大きな建物が好きだった。
冬にはここの壁伝いに歩くと中で窯を焚いているんだろう、
ほんのりあたたかかった。

そんな日本陶業は少し前から工場の稼働が止まっていた。
そしてとうとう取り壊されることになり



06161

通りから反対側は防音シートでぐるりと囲まれてしまった。
5月にはきれいなつつじが咲いていたのに。
お庭の四季折々の花や実も楽しみな素敵な工場だった。



06163

穴がどんどん大きくあけられていくよ・・・

幼い頃、おばあちゃんちのまわりのおうちが全て取り壊されて
市営住宅が建てられたことを思い出した。

せつないなあ。
と思ったところでどうにもなんないけど。

日本陶業の裏にあった木造の渡り廊下ぼろぼろの工場跡も
何年か前にきれいさっぱりなくなって今ではきれいな住宅地だ。

日本陶業の跡地にはスーパーと薬局ができるらしい。
近所で便利かなあ?
でもちょっと足を伸ばせばスーパーだって薬局だってあるし。
そんな近くにいくつも便利はいらないから気に入った風景が
いつまでも残るといいのにと思った。





06164

夕刻、雨のぱらつく音がするので作業の手をとめて
窓を開けたらほんわりとあたたかい光が空を包んでいた。



06165

数分後にはどんより重たい雲が立ち込めていて。
ほんの一瞬の出来事。
 

秘密にする

 
トラックバックURL
http://atelierdaisy.blog7.fc2.com/tb.php/155-7c51c1b3